夫婦・カップルの喧嘩で、話し合いにならないとき
「ちゃんと話し合いたい」と思っているのに、いざ話そうとすると、相手が黙ってしまう。あるいは、すぐに言い合いになって終わってしまう。話し合いが進まないのは、どちらかの性格だけの問題ではなく、話し合いの進め方がうまく働いていないことが多いものです。
話し合いが止まる、よくある理由
夫婦関係の研究で知られる米国のゴットマン研究所は、話し合いを壊しやすい4つの話し方を挙げています。
- 非難:出来事ではなく、相手の人格を責める(「あなたはいつも自分勝手」)
- 侮辱:ばかにする、見下す、皮肉を言う
- 自己弁護:言い訳や反撃で、相手の話を受け止めない
- 逃避:黙る、目を合わせない、その場を立ち去る
どれも、喧嘩の最中には誰でもやってしまうものです。ただ、これが重なるほど、相手は身を守ることで精一杯になり、話し合いになりません。
もう一つの理由は、気持ちが高ぶりすぎていることです。胸がどきどきして頭が真っ白になると、相手の話を受け止める余裕がなくなります。疲れているとき、おなかがすいているとき、夜遅く、出かける直前など、タイミングが悪いだけで話がこじれることもあります。
切り出し方を変える
話し合いは、最初の切り出し方で流れが決まりやすいといわれます。責める言葉で始めると、相手は最初から身構えてしまいます。
| こう言いがち | こう言いかえる |
|---|---|
| 「なんでいつも手伝ってくれないの?」 | 「平日の夜がひとりだときついから、洗い物を分けられないかな」 |
| 「話をちゃんと聞いてよ」 | 「大事なことだから、10分だけ時間をもらえる?」 |
| 「普通は連絡するでしょ」 | 「連絡がないと心配になるから、遅くなる日はひと言ほしい」 |
ポイントは、主語を「わたし」にして、自分の気持ちと、具体的なお願いを一つだけ伝えることです。一度に話すテーマも、一つにしぼります。
交代で話す「型」をつくる
話し合いが言い合いになりやすいふたりには、決まった「型」があると助かります。たとえば、次のような進め方です。
- 話す時間と長さを、先に決める(例:20時から30分)
- 話す人と聞く人を決める。話す人は3分ほどで、自分の気持ちと望みを話す
- 聞く人は途中で口をはさまず、最後に「つまり、〜ということ?」と要約して返す
- 交代して、同じことをする
- 最後に、次に試すことを一つだけ決める。決まらなければ、次に話す日を決めて終える
要約して返すのは、賛成するためではなく、「ちゃんと聞いた」と伝えるためです。それだけで、相手の声のトーンが下がることがよくあります。
黙ってしまう相手、席を立ってしまう相手には
話し合いから逃げているように見える相手も、実は、気持ちが高ぶりすぎて言葉が出てこないだけ、ということがあります。責められ続けると感じて、身を守るために黙っている人もいます。
- 「休憩したいときは言ってね。でも、戻ってくる時間は決めよう」と、休憩のルールを先に決めておく
- 休憩は20分ほどを目安にする。そのあいだ、喧嘩の続きを頭の中でくり返さない
- 顔を見て話すのが苦手な相手とは、散歩や車の中など、横に並んで話せる場所を選ぶ
- どうしても言葉にしにくい相手には、先に文字で書いてもらう
直接話すのがつらいときの、ほかの方法
顔を合わせるとどうしてもこじれるなら、話し合いの形を変えてみるのも一つです。
- 手紙やメモ:時間をかけて言葉を選べる。ただし、一度に全部を書きすぎない
- それぞれが文字で書いて、交換する:相手の言葉を最後まで読んでから考えられる
- 第三者に入ってもらう:共通の友人、カウンセラー、公的な窓口など
- AIのサービスを使う:ふたりが別々に話し、整理された結果を一緒に読む
誰に入ってもらうかの選び方は、喧嘩の仲裁を、誰かに頼みたいときにまとめています。同じテーマで何度もぶつかるときは、同じ喧嘩を、くり返してしまうときも参考にしてください。
それは「話し合い」の問題ではないかもしれません
次のようなことが続いているなら、話し合い方の工夫で解決する問題ではないかもしれません。ひとりで抱えずに、専門の窓口に相談してください。
- 大声で怒鳴る、物を投げる、壁をたたく
- 「別れる」「出ていけ」などの言葉で、くり返しおどす
- 生活費を渡さない、お金の使い方を細かく管理する
- 友人や家族と会うことを制限する、スマートフォンを勝手に見る
- 人格を否定する言葉を、くり返し浴びせる
内閣府は、殴る・蹴るといった身体への暴力だけでなく、心ない言動で相手を傷つけることや、友人とのつきあいを制限する、電話を細かくチェックするといったことも、配偶者や恋人からの暴力(DV)の形として挙げています(暴力の形態(新しいタブで開きます))。近くの相談窓口につながるDV相談ナビ(新しいタブで開きます)(#8008)や、電話は24時間・チャットでも相談できるDV相談+(新しいタブで開きます)(0120-279-889)に相談できます。
仲裁くんが役に立つ場面と、向いていない場面
仲裁くんは、ふたりが顔を合わせずに、それぞれ最大3分ずつAIに話す(声でも文字でも)サービスです。話し合いにならないふたりには、次の点で役に立ちます。
役に立つ場面
- 相手の言い分そのものは表示されず、AIの整理(要点と短い引用)だけがふたりに届くので、言葉の応酬になりにくい
- 先に話した側が有利にならないよう、ふたりが同じ条件で話します
- 結果には、すれ違いのポイントと、次に伝えたいひと言が入ります
- 話した内容は、最後の更新から7日で自動的に削除され、どちらかがいつでも「今すぐ削除」できます
向いていない場面
- 上のような暴力や支配がある、身の安全に不安があるとき(下の相談先へ)
- 離婚・親権・養育費・財産など、法律が関わる話し合いをしたいとき(法テラスへ)
- 相手が参加を望んでいないとき(ふたりの言い分がそろうまで、結果は出ません)
- 18歳未満の方
ふたりの言い分を、AIに整理してもらう
何が
仲裁くん(ちゅうさいくん)とは
仲裁くんは、喧嘩やすれ違いのあと、ふたりの言い分をAIが別々に聞いて、公平に整理するWebサービスです。何があったかを30秒ほど話す(または書く)と話し合いの場ができ、URLを相手に送るだけで始められます。アプリのインストールや会員登録はいりません。
話し合いの場は30日に1部屋まで無料です(2部屋目からは390円で、相手が参加して結果が届いたときだけ支払いが確定します)。招待された側は、いつでも無料です。深掘りラウンドと仲直りプランは390円(税込)で、相手が答えて結果が届いたときだけ支払いが確定します。72時間以内にふたりの答えがそろわなければ、0円です。
AIの整理は、ふたりが話し合うための材料です。法的な判断や、医療・心理・法律の専門家の助言の代わりにはなりません。また、人が相談に乗るサービスではありません。